6.人生トーナメントの法則

『人生トーナメントの法則』とは、トーナメントでの勝敗が、その後の自己成長に想像以上の大きな影響力をもたらすことの基本原則である。
人生トーナメントには、「見えるトーナメント」と「見えないトーナメント」がある。
「見えるトーナメント」とは、スポーツの大会などのように対戦相手やその勝敗がだれにでも目に見えるトーナメントであり、 「見えないトーナメント」とは、対戦相手がなく、勝敗も他の人には見えない自分の中のトーナメントのことである。

では、「見えるトーナメント」と「見えないトーナメント」を詳しく解説していこう。

1.見えるトーナメント

中学・高校時代に部活動を経験した人は少なくないだろう。 地区大会、県大会を勝ち抜いて全国大会に勝ち進んでいく選手やチームは、非常に輝いて見えていたはずだ。
このスポーツのトーナメントにおいて、ほぼ全ての人が、どこかで敗者となった経験があるだろう。あなたは、負けた後、どうしていただろうか。

※例えば、あなたが高校野球の選手だと仮定し、想像してみよう。

−  負けたチームの場合  −
あなたのチームは、早々に敗退してしまった。 その後は、宿舎に戻り、反省会もほどほどに、荷物をまとめて、翌日はスタンドやテレビで他のチームの試合を野球観戦している。 何とも言えないだるい気持ちだ。
時間もゆっくり流れ、暇になったことで、今まで練習ばかりだったのでこれからは思いっきり遊ぼうと、現実逃避をしたり、負けたストレスを発散したりする。 きっとこんな感じではないか。

−  勝ったチームの場合  −
宿舎に戻り、反省会をしっかり行い、次の試合に備えて練習を重ね、気持も引き締まっている。 このチームは、次の試合でも懸命に戦い、勝てばまた、その次の試合に備えて集中する。
勝てば勝つほど緊張感と集中力の張りつめた非日常的ハイテンションな環境とともに頂点を目指す。 上昇気流に乗ったチームは、周りからの期待やプレッシャーをばねに、心身ともに強くなっていく。

このように、早々に負けたチームには、見えないところで自己成長の負のスパイラルが作用し、勝ち上がっていくチームには、 見えないところで正のスパイラルが作用することが分かる。
そして両チームには、トーナメントの短い間に驚くような差がついてしまう。
以下にトーナメントの一般的な表がある(図1参照)。

トーナメントの差
図1:トーナメントの差

実は、負けた時点のポジションと頂点までの距離や階層があればある程、勝者と敗者の正負のスパイラルが大きく作用し、 チームや個人の実力やプライドに大きな差がついてしまうのだ。

2.見えないトーナメント

目に見えないトーナメントの本質は、「自分との握り」である。
自分の夢や目標を決めた人だけが持つトーナメントで、そのゴールに向かいながらも、「もう、そのくらいでいいんじゃない?」と 耳元でささやく悪い自分と1対1の戦いになってくる。

※個人タクシーを例に挙げよう。

タクシーの運転手ならば誰でも、将来的には個人タクシーになりたいはずだ。
個人タクシーになるためには申請前10年間、タクシー運転手として勤務し、かつその10年間は無事故無違反でなければならない(東京都で申請時に35歳未満の場合)。 タクシー運転手は、ご存じの通り、誰からも監視されない仕事だ。気を抜こうと思えばいつでも抜ける。 また、乗客から監視されるといっても、同じ乗客が二度乗車することは特に都心では稀だ。 ここまで孤独な環境での仕事も珍しい職業だろう。 したがって、申請をするまでの10年間、誰から監視されずとも、自分の目標に向かってしっかりと運転をするドライバーしか、個人タクシーにはなれないのである。 これがまさに、「自分のトーナメント」である。
若くして個人タクシーになった人の話を聞くと、タクシー会社に入社した当初から、「個人タクシーになるぞ」と自分自身に誓っている人がほとんどだ。 反対に、何も考えずに10年経ち、個人タクシーになったという人を聞いたことがない。
10年は、長い。相当な覚悟を必要とする。
もしスタートできたとしても、最初はきつく、どこかで大きな山があることは、皆、薄々わかっている(図2参照)。

大きな山
図2:トーナメントの差

なぜそうなのだろうか。次の表を見てほしい(表1参照)。

10年後の目標達成まで
表1:10年後の目標達成まで、あとどれくらい?

この表は、10年後に目標が達成される場合、経過年数から今までに対し、あとどれくらい経過する必要があるかを一覧にしたものである。
10年後に目標達成するのであれば、1年経過で残りあと9倍。 2年経過で残りあと4倍と、5年経過までは、これまでの経過年数より残り年数が大きいため、大きな荷物を持って山を登るように思えてしまう。
しかし、6年目以降になると、自分の経過年数より、残り年数が少なくなるため、残りあと2/3、3/7、1/4と下り坂をローラースケートで駆け下りている感覚になる。
ゴールが見えてくると、自然と力が湧きだし、後は目標に対してひたすら前進するのみである。 ここまでくると、砂時計の砂が残り少なくなればなるほど早く落ちると感じるように、そのゴールまでのスピードが加速されるのである。 目標達成するには、折り返しまでの大きな山を越えるまでが1つの勝負だ。

あなたは、他の人には見えない「自分のトーナメント」を持っているだろうか。
もし持っていなければ、今からでも自分の夢や目標に向って、会社や上司など周りに監視されなくても、自立した人生を送ることをお勧めする。

人生には、見えるトーナメントと見えないトーナメントが存在し、見えるトーナメントには、自己成長の正負のスパイラル、見えないトーナメントには、 ゴールまでの大きな山があることを理解することで、自己実現のスピードが加速するのである。


*感想
目標達成までの経過年数と残り年数の関係を改めて考えると、折り返し地点まで進むことができれば、あとはゴールまでまっしぐらだと実感できた。
この『人生トーナメントの法則』を推敲していく中で、もう一度、目標に向かって進んでみようと心に決めた。(作成者:市野)


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